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マリアンネ・シドウさん亡くなる [ペリー・ローダン]

ドイツSF女流作家のパイオニアであるマリアンネ・シドウさんが2013年6月2日亡くなりました。1944年7月24日生まれですから69歳。訃報はすぐには伝わらなくて、私が気づいたのは1か月後のFacebookで同じローダン女性作家のUschi Zietschさんの引用記事からです。それから編集者のAlexander Huiskesさん、Achims MehnertさんのAchims Brogなど次々と訃報が報じられるようになりましたが、ローダンチームを辞めた事情からか、公式ホームページに記事が掲載されたのはそのしばらくたってからでした。その事情については"ごやてん跡地"に詳しく書かれているので、繰り返さずに別の角度から思い出を書きます。
マリアンネ・シドウさんには1984年に自宅を訪問して一度だけお会いしたことがあります。ローダン作家の写真はデビューした時の写真をずっと使い続けますから、この公式の写真のままとは思っていませんでしたが、想像以上に別人でした。つまりかなり太っていました。sydow.jpg
それはさておき、タクシーでベルリンの自宅に着くと玄関にそれらしい人が「初めましてマリアンネ・ジュドウさんですが」「いいえマリアンネ・エーリヒと呼んでください」と云われた時には驚きました。知らなかったのですが、その頃ベルリンで有名なSFファンであるハインツ・ユルゲン・エーリヒ(Heinz-Jürgen Ehrig)さんと再婚して新婚さんだったんですね。
ご挨拶とローダンの話が一通り済むと、カメラを持ってきなさいと、家の中を案内されました。どの部屋も本で埋め尽くされていました。地下室は天井まで本、子供部屋も本、使われなくなった冷蔵庫の中にも本、その数万冊の本以外にもビデオが600本ありました。聞くと、ドイツではSFが冷遇されているので、友人に頼んだり、いろいろ手を尽して集められる限りの総てのSFがあるとの答え。だぶった本だけでも一部屋分ありました。
日本人だからとシドウさんとドイツ版ゴジラを観ていると11歳の息子ラルフ君が学校から帰宅したので、「ウルトラマン白書」をプレゼントすると、当然この環境で育った子供ですから、ウルトラ兄弟どころか、仮面ライダー、マクロスまで知っていました。
そのうち公務員のハインツ・エーリヒさんも帰宅したので、日本SF大会のコスチュームショービデオを観てもらうと、ベルコンというSF大会を開催したり、ローダン映画を作るくらいのSFファンだけに大変喜ばれました。とにかく仲の良いSFファン一家という印象です。
そんな家族ぐるみで集めた大量の本は1990年代後半にはベルリンには置けず、ベルリン郊外の村に引越しギャラクティカ荘(Villa Galactica)と名付けられました。2003年にはご主人がなくなりましたが、その13万点もの書籍、雑誌、ビデオなどのカタログ作業は続けられ、シドウさんが亡くなったことにより、そのプロジェクトは息子ラルフ(Ralph Ehrig)さんに引き継がれました。全ヨーロッパ的収集との呼び名もあるだけに、SF界の名所として引き継がれて良かったです。


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